世界中の誰もが感づいている「地球温暖化」。しかし、未だに懐疑論も根強く企業と政治と国策が結びついて迷走し国民が正しい理解を得るに至っていないのが現状です。しかし、揺るぎない事実があります。それは世界の平均気温と大気中のCO2濃度がじわじわと上昇しているという現象です。地球約46億年の歴史を振り返ってみても1世紀に1℃の地上平均気温の上昇とCO2濃度100ppm(ppmは1/100万)以上の上昇が同時に進行したという例は知られていません。
地球温暖化の進行は一体何が原因なのか?私はこれまで地球温暖化や異常気象に関する文献を50冊以上熟読してきましたが、正直、解らないというのが実感です。現在、国際社会で有力視されているのが「化石燃料の燃焼によって出るCO2などの温室効果ガスが温暖化の原因」という説です。大気中に増加したCO2などが、太陽からのエネルギーを受ける地球が温度のバランスを保つため宇宙に放出しようとする赤外線を吸収して熱として蓄えそのために地表付近の気温が上昇するというわけです¹。気象学の「黒体」と「放射平衡温度」を理解しなければ一般の方には小難しい内容です。その他にも私個人としては非常に興味深く感じている太陽活動の活発化により磁場が大きく乱れ地球に到達する宇宙線が減少することにより地球を覆う雲の量が減少し地表に到達する太陽エネルギーが増加して地球温暖化しているという最新の宇宙気候学説も提唱されています。しかし、宇宙線によって生成される雲の量などが明確に解明されていないためこの説が正しいとは立証されていません。
気候は地球というシステムの一環であり、大気、海洋、陸地、雪氷、生態系、宇宙などのあらゆる要素から構成された複雑な相互作用のもとに発生するものと考えると何が引き金になって急激な移行が行われるかは一つの事象だけを見ていても到底解明出来ないと感じています。地球を銀河に組み込まれた一つの要素と捉え地球内部の事象を宇宙まで広げて温暖化を考察することは非常に重要な視点だと思います。
UV太陽紫外線研究者である私の一番の気がかりは地球温暖化の進行でUV太陽紫外線がどのように変化し人や動植物など生命にどのような影響を及ぼすか?ということです。オゾン層破壊と温暖化については皆さんが考えているほど関連性は大きくないことが解明されていますが¹、オゾン層を破壊するフロンガスは強力な温室効果ガスであることは周知の事実です。つまり温暖化が進行するということは温室効果ガスの増大を意味し少なからずオゾン状態に悪影響を与えます。生命のタンパク質を複製する基本的な設計図は、アデニン、グアニン、シトシン、チミンが構成するDNAの二重螺旋型の塩基配列です。オゾンがUV太陽紫外線を吸収するように生命のDNAはUV太陽紫外線を吸収しやすい設計になっているのです²。つまり、オゾン層がなくなると太陽紫外線UV-Cが直撃し遺伝子レベルでの破壊を引き起こします。また目に見える酷い火傷などの皮膚損傷から化膿で命を落とすような悪夢が発生する可能性も否定出来ません。余談ですがオゾン層は大気の薄い火星にも、大気の濃い金星にも存在しません。オゾンに守られる地球であるがゆえにDNA生物が生き残ってこれたのかもしれません。ぜひ、皆さんも無料アプリQSunで現在の世界のオゾン状況を閲覧してみてください!
Sources:
1. 横山裕道 著 - 気候の暴走 - 花伝社(2016.8.25)
2. 片岡龍峰 著 - 宇宙災害 - DOJIN選書(2016.11.30)
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