スキップしてメイン コンテンツに移動

皮膚がんと普通のホクロやシミ:あなたは見分けることが出来ますか?


あなたはこれまでの人生の中で書類の紙で指をサッと切ってしまった、そんな経験はありませんか?人差し指の擦り傷口からジワッ〜と血が滲む、そんな経験です。大半の方が何かしらちょっとした切り傷の経験があると思います。しかし、これらのちょっとした切り傷は多少の痛みを伴いますが多くは数日以内に自然に治癒します。これは、私たちの皮膚細胞が絶えず入れ替わっているからです。細胞増殖は私たちの生活の至るところで起こります。健康な細胞は1つの細胞がその「内部」を複製し、次に2つの細胞に分裂する増殖サイクルを繰り返します。この通常サイクルが邪魔されて上手く回らなくなることがあります。このサイクルの乱れが皮膚がんに繋がる可能性があります。

我々の皮膚は様々な種類の細胞で形成されているため異なる皮膚がんが存在します。その中でも発症事例が多く身近な3つの皮膚がん(メラノーマ、基底細胞がん、有棘細胞がん)の全てが1つの共通点を持っています。それは、UV太陽紫外線曝露が主要なリスク要因であるということです¹⁻³。
※日本ではUV太陽紫外線曝露が主原因で有棘細胞がん発症事例が高齢者を中心に激増


肌タイプ1(薄白い肌、明るい髪と目、太陽下ですぐにサンバーン[日焼け:皮膚が火傷したように赤くなりヒリヒリ痛む]するけどサンタン[皮膚がメラニン色素増強で黒くなる)しない皮膚の人)は皮膚がん発症リスクが非常に高いです。メラノーマは通常のホクロやシミと違ってABCDEがあります。

メラノーマ(悪性黒色腫)
A(Asymmetry)=形が左右非対称の病変
B(Border irregularity)=ギザギザした端っこと境界に鮮明な部分と不鮮明な部分で構成される不規則な外形
C(Color variegation)=黒褐色に紫・白・赤などの色調が混ざった外形
D(Diameter enlargement)=通常に比べて大きいサイズ(直径が6mmを超えるものがあればすぐに皮膚科で診断を!)
E(Evolving lesions)=上記ABCDの時間経過変化

30歳を過ぎてこのようなホクロやシミが出来た場合はメラノーマ病変になる可能性が高いため既存のホクロやシミの状態と注意深く比較観察してください。基底細胞がんは、表皮の最下層である基底層や毛包などを構成する細胞が悪性化したものであり、初期症状ではホクロとほとんど見分けがつきません。

基底細胞がん
「結節・潰瘍型」=通常、数年の時間経過を経て徐々に大きくなり腫瘤(しゅりゅう)を形成。進行すると中心部が陥没して潰瘍を発症。その周辺部は隆起した黒い丘疹(きゅうしん)が縁取るように並び、潰瘍部分は出血しやすくかさぶたになりやすい。
※日本人に最も多いタイプで70%近くが上下のまぶた・鼻・上口唇(じょうこうしん)周辺に発症
「斑状強皮症型」=光沢のある透明又はピンク色の隆起で瘢痕(はんこん)に似ており出血を伴う場合がある²
「表在型」=境界が鮮明な紅斑で表面にかさぶたのようなポロポロと落ちる皮膚がついた状態。

有棘細胞がん
表皮内の有棘層から発症。発生部位は広範囲で顔・腕・脚などの四肢に発生することが多い。一般的に、サイズが大きく非対称のピンク色をした皮膚の鱗状のゴツゴツした突起で表面にびらんや潰瘍を伴い出血しやすい。腫瘍の形はカリフラワーに例えられることもあります。表面中央部に潰瘍が発生し一般細菌による感染を起こしやすく膿をもったり悪臭を放ちます。
※日本人の有棘細胞がんの約60%が日光露出部分に発生するとされています。太陽紫外線UV-B曝露による発症リスクが最も高く、顔・首・手の甲など日光に頻繁に曝露してきた部位の蓄積ダメージで高齢人口増加に伴い高齢者で発症事例が激増しています。

日本人の有棘細胞がんの約60%が日光露出部に発生しているので、こまめにサンスクリーン剤塗布して過度の日焼けを避けることが有棘細胞がんの最善の予防に繋がります。特に、色白で、色素沈着を起こしにくい人(日焼けで黒くなりにくい人)や小児はサンスクリーン剤での全身のUV太陽紫外線予防が推奨されます。

又、放置すると有棘細胞がんを生じやすい皮膚がん前駆症(「表皮内がん」とか 「前がん病変」と呼ばれる皮膚がんになる前段階の病気)と呼ばれる病変があります。その中でも発生頻度が高いのが、「日光角化症」、「ボーエン病」、「パージェット病」です。一見普通の湿疹と間違われやすく皮膚科医でないと診断が難しい皮膚疾患です。放置しておくとがんに進展する可能性が高いため、早期治療が必要です。他にも皮膚がんには「悪性線維性組織球腫」「滑膜肉腫」「菌状息肉腫」「血管肉腫」「脂肪肉腫」「メルケル細胞がん」「皮膚悪性リンパ腫」「類上皮肉腫」などの種類があります。

【補足】日盾\HITATE UV Care Lab. Research Team
※日光角化症は日本で毎年約10万人以上の罹患数⁷

皮膚がんは誰にでも、もちろん有名人でも発症します。実際にブルック・シールズ(アメリカのモデル・女優)とユアン・マクレガー(スコットランドの俳優)の両者はお互いが経験した皮膚がんについて公然と語り合いました。シールズは皮膚がん前駆症を取り除き、マクレガーは皮膚がん手術をしました。両者は若い頃に太陽の下で多くの時間を過ごしたことを認めています⁶。

皮膚がんは他の内臓系がんに比べ軽視されがちですが、早期発見できるかどうかで運命が大きく変わる危険性を十分に孕んでいます。皮膚科を年1回でも受診すれば、普段家庭での肌のモニタリングの大切さを実感することができます。そして、最も重要なことは、皮膚がんリスクが明確に証明されているUV太陽紫外線曝露を防ぐことです。その最初の適切な予防を何故あなたは実践しないのですか?UV太陽紫外線の悪影響から自分自身の健康を守るために、あなたはサンスクリーン剤を含めた日焼け対策を断固とした態度で実践する必要があります。まずは、QSunの無料アプリをダウンロードしてみてください!QSunはあなたの強力なUV太陽紫外線予防アドバイザーになります!
▶︎無料QSunアプリダウンロード iOS Android

Sources:

1. Wells, G. L. (n.d.). Melanoma. Retrieved July 20, 2016, from http://www.merckmanuals.com/home/skin-disorders/skin-cancers/melanoma.
2. Wells, G. L. (n.d.). Basal Cell Carcinoma. Retrieved July 20, 2016, from http://www.merckmanuals.com/home/skin-disorders/skin-cancers/basal-cell-carcinoma.
3. Wells, G. L. (n.d.). Squamous Cell Carcinoma. Retrieved July 20, 2016, from http://www.merckmanuals.com/home/skin-disorders/skin-cancers/squamous-cell-carcinoma.
4. MacNeal, R. J. (n.d.). Overview of Sunlight and Skin Damage. Retrieved July 20, 2016, from http://www.merckmanuals.com/home/skin-disorders/sunlight-and-skin-damage/overview-of-sunlight-and-skin-damage#v793797.
5. Skin Cancer Foundation. (n.d.). Actinic Keratosis (AK). Retrieved July 20, 2016, from http://www.skincancer.org/skin-cancer-information/actinic-keratosis.
6. Pearson, C. (2012). 10 Celebs Who’ve Been Touched By Skin Cancer. Retrieved July 25, 2016, from http://www.huffingtonpost.com/2012/05/10/skin-cancer-celebrities_n_1504433.html.
7. MOCHIDA PHARMACEUTICAL CO., LTD. / 「日光角化症」情報サイト 監修: 信州大学斎田俊明名誉教授 
http://www.mochida.co.jp/nikko-kakukasho/ak03.html


※ From an article by Comfable which conducts ultraviolet research jointly with our company 

コメント

このブログの人気の投稿

イルカの皮膚の神秘

皆さんはイルカの皮膚を触ったことがありますか?私はあります。幼少の頃にもありますし、実はつい最近も好奇心と探究心を持って触らせて頂きました。その感触はもちろん人の皮膚とは大違い。魚類のウロコとも違います。見た目がテカテカしてるからツルンツルンしてるのかと言えばそうでも無くザラザラしたような感触も多少あり、これが最適な表現なのかはよく解りませんが、私は「ブニュブニュ」という言葉の響きが一番しっくりくると感じています。バスケットボールの表面に近いと言えば解りやすいでしょうか? そもそも、なぜ私がイルカの皮膚に強い興味を抱き独自に研究をしているかというと、 イルカの皮膚は2時間に1度生まれ変わっている という衝撃な事実を知ったからです。一説ではイルカは人類の次に知能が高いコミュニケーション能力を持っていると言われており、異なる生息海域ごとに方言まであるそうです。バンドウイルカは人間と同じように個体を名前で認識してコミュニケーションしていることなどがよく知られています。 知能が高いが故に人間と同様にストレス発散のために集団いじめを行ったり精神的に追い詰めるような残酷な一面があることもまた知られています¹。そのような精神的陰陽と時速50kmで泳ぐことができたり、最高8mジャンプ出来たり²、脳を半分ずつ眠らせて泳ぎながら寝ることができたり、皮膚が2時間に1度生まれ変わったりすることを考えると実は人類以上の能力を秘めているような気さえしてきます。さて、少し話が逸れましたが本題です。イルカの皮膚はなぜ2時間に1度生まれ変わるのでしょうか?解りますか?結論からいうと 水の抵抗を極限まで減らして早く泳ぐため です³。美容のためではないんですね〜。 水の密度は空気の800倍ほどあると言われています。水泳などで皆さんも経験があると思いますが水中では体に沿って乱流渦が発生して身体の背面に回り身体を引っ張るため前進を妨げる抵抗を感じます。イルカのバスケットボールの表面のような弾力性の皮膚はスポンジのように水分を吸収するヒドロゲルで覆われた表皮、真皮、脂皮の三層から構成されておりクッションのように乱流渦の抵抗を防ぐ(水圧を吸収する)のです。最近の研究では、 はがれ落ちる皮のしわの突起の部分がイルカの皮膚の表面にできる乱流渦を抑制して抵抗を抑えている とも考えられています⁴。 イ...

肌の老化の90%はUV太陽紫外線曝露の影響

我々は、好むと好まざるとに関わらず歳を取るにつれ老化の兆候が現れます。自身で制御できない老化は、内因性または加齢による 「自然老化」 と呼ばれます。この自然老化はコントロールすることはできませんが、我々は高温や低温への慢性的な曝露、喫煙、アルコール摂取など、老化徴候を悪化させる環境要因を抑制することができます。我々の肌を老化させる主要な環境要因は、有害なUV太陽紫外線の曝露です。実際、 肌の老化の90%はUV太陽紫外線曝露の影響 によるものと推測されています¹!太陽光は肌のタンパク質を悪化させ、若々しい外観を損ないます。この光老化は、適切な太陽防御で防ぐことが可能です。 エラスチンとコラーゲンは、若々しいお肌を保つ大切な2つのタンパク質 です。エラスチン(弾性線維)は、その名前が示すようにゴムのように伸び縮みする性質を持ちコラーゲンの線維を支える役割を果たします。言い換えれば、それは私たちの肌の伸縮部分に弾力を与えます²。一方でコラーゲンは肌の弾力やしなやかさを生み出すタンパク質です。細胞と細胞を結ぶ役割があり、肌だけでなく骨や血管、関節などにも含まれています³。体内にあるコラーゲンのうち約40%が皮膚に存在しています。又、肌を若々しく保つために我々は 「幹細胞」 の働きにも助けられています⁴。この特殊な幹細胞は皮膚・赤血球・血小板など我々の身体を創造する様々な細胞を作り出す能力(分化能)と、自分と同一の能力を持った細胞に分裂する能力(自己複製能)を持ち、死んだ細胞を次々に置き換えています。幹細胞がきちんと機能しないと皮膚は時間と共に劣化します。 UV太陽紫外線は、早期光老化の主要原因です。紫外線は幹細胞を死滅させ、皮膚の菲薄化(薄くなる)及びシワを発生させます。 UV太陽紫外線はマトリックスメタロプロテアーゼ(略称: MMP)とカテプシンK(略称: CTSK)呼ばれる酵素を活性化させます。MMP酵素はコラーゲンを分解し、CTSKはエラスチンを分解します ⁴。 太陽曝露による早期光老化を避ける秘訣は 「適切な日焼け予防」 です。常に SPF30以上の広域スペクトルのサンスクリーン剤 を塗布してください。そして、 サングラス 、 日傘 、 つばの広い帽子 を着用し可能な限り 日陰を活用 してください。 QSun は、 iOS と Android で利...

日焼けサロン(日焼けマシン)は危険ですか?

「夏の輝き」「冬に向けた深み」を出すためにあなたが「顔」や「腕」など身体を黒くしたい衝動に駆られた時、日焼けサロンは一見良い選択肢のように思えるかもしれません。日除けマシンは、国際がん研究機関(IARC - 世界保険機関(WHO)の外部組織)が日焼けマシンをグループ2A(ヒトに対する発がん性がおそらくある化学物質、混合物、環境)ランクから、一番危険なグループ1(ヒトに対する発がん性が認められる化学物質、混合物、環境)へランクを引き上げるまでの2000年代後半までは比較的普及していました。日焼けマシンで身体を人工的に焼く行為に発がん性が認められて以降、我々の大半が日焼けサロンを避けるようになりましたが、あなたが出張や旅行で別の都市に移動すると日焼けサロン店に遭遇する可能性があります。日焼けサロンは非常に危険であるにも関わらず何故ビジネスモデルが成り立っているのでしょうか? 法律的に合法なんでしょうか? まず、我々は日焼けマシンと太陽の比較を理解することが重要です。太陽は、我々が住む地上に2種類のUV太陽紫外線を放出しています。UV-A(生活紫外線)は、我々の皮膚[表皮→真皮→脂肪層(皮下組織)]の真皮まで浸透して色素沈着(サンタン)、シミやシワなどの早期光老化を引き起こします。UV-B(レジャー紫外線)は我々の皮膚[表皮→真皮→脂肪層(皮下組織)]の表皮の細胞核に強いダメージを与えて日焼け(サンバーン)、色素沈着(サンタン)、浮腫などの炎症、皮剥けなどの原因となります。そして、 日焼けマシンは主にUV-Aを人工的に放射 します¹。 利用者の中には日焼けマシンで ビタミンD 合成が出来ると誤解している人達もいます。 ビタミンD合成を担う のはUV-Bに曝露する必要があります。 日焼けマシンは主に人工UV-Aを放射するので決してビタミンDの供給源ではありません ¹。 多くの日焼けサロン店は、日焼けマシンは日焼け予防を目的にしたベースタン(一度日焼けをすれば太陽紫外線の害から避けられるという間違った日焼け)を得るために効果的だと主張しています。ベースタンで多少の保護(SPF4程度と言われています)はありますが、QSunチームがこれまで何度も何度もお伝えしているように 「日焼けした肌は傷ついた皮膚」 です。UV照射に晒されると皮膚細胞は自己防御メカニズムの...