スキップしてメイン コンテンツに移動

UV太陽紫外線:写真やカレンダーの色褪せへの関与は?


夏休みの自由研究で「紫外線の謎」に取り組んでいる全国の子ども研究者たちへ!「教えて!goo ウォッチ紫外線の謎」に寄せられた質問に対する回答で大幅に割愛された詳細部分を3回に分けて記事にします。ぜひ、研究の参考にしてくださいね!

《第3回》UV太陽紫外線が我々にもたらす悪影響のひとつに「紫外線劣化」が挙げられます。その名の通り、強い紫外線曝露およびダメージ蓄積により、様々な物質や材料が「変色」「変形」「硬化」「割れ」「ベタつき」などの影響を受けることを指します。

身近で解りやすい事例を挙げると、太陽に長時間、衣類や布が晒されると太陽曝露した箇所だけが著しく「変色」してせっかくのお気に入りのシャツや布製のバックを台無しにして太陽を恨んだり、お気に入りの家具がいつの間にか「変形」して反り返ってしまい悔しい思いをしたり、ベランダの洗濯バサミが「バラバラひび割れ」して頭にきたっ!なんていう嫌な経験をされた方も多いことと思います。これらはUV太陽紫外線の仕業です。しかし、劣化の犯人は他にいる場合もあります。「湿気」「酸化」「熱」「乾燥」「水・雨・風」「凍結」「汚染ガス」「経年」「低品質」「チリ・ホコリ」「カビ・虫」なども劣化の原因になります。

カレンダー(紙)を劣化させる要因は、内的要因である「洋紙に含まれる酸やリグニンなどの不純物による経年劣化」と、外的要因は保管環境による「光」「温度や湿度の変化」「カビ」「チリやホコリ」「虫や小動物」「汚染ガス」などが考えられます。その中でも太陽光や蛍光灯やTVが放射する「紫外線UV-A(320〜400nm)」波長は破壊力があり紙を劣化させる主要原因となります。又、太陽光や白熱灯が放射する赤外線(紫外線同様に目に見えない波長・熱線)も、熱放射により紙を劣化させます¹。

写真を劣化させる要因は「光」「湿気・オゾン」「酸」「カビ・虫」「その他の化学物質」などが挙げられます。そして、その中でも太陽光や蛍光灯やTVが放射する紫外線の殺菌・消毒作用は主に色素を分解するので写真色褪せの主要原因となります¹。

以上、UV太陽紫外線がカレンダーや写真の色褪せに大きく関係していることが解ったと思いますが、蛍光灯やTVからも微量ながら紫外線が出ていることをご存知の方は少なかったのではないでしょうか?勉強机の蛍光灯の前に貼った写真やカレンダーも時間をかけて徐々に色褪せる可能性があるので十分に注意しましょう!余談ですが、2015年12月に化学及血清療法研究所(通称: 化血研 熊本県)が偽の書類に紫外線を浴びせ変色させ作成時期を古く見せかけて、厚生労働省の調査で求められた過去の製造記録書類が普通に存在したかのように隠蔽工作を図った驚きの事件がありました²。皆さんは紫外線を犯罪に絶対に利用しないでくださいね!利用するならUV太陽紫外線予測・予防で世界No.1無料アプリQSunです。UV太陽紫外線研究の教材としても最適ですよ!
▶︎無料QSunアプリダウンロード iOS Android

Sources:

1. 「Springer Nature」Macmillan Publishers Limited.
https://www.nature.com/articles/srep38150
2. 日本経済新聞「化血研、製造記録偽装し隠蔽工作 厚労省が行政処分へ」
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO94667120S5A201C1CC0000/

コメント

このブログの人気の投稿

イルカの皮膚の神秘

皆さんはイルカの皮膚を触ったことがありますか?私はあります。幼少の頃にもありますし、実はつい最近も好奇心と探究心を持って触らせて頂きました。その感触はもちろん人の皮膚とは大違い。魚類のウロコとも違います。見た目がテカテカしてるからツルンツルンしてるのかと言えばそうでも無くザラザラしたような感触も多少あり、これが最適な表現なのかはよく解りませんが、私は「ブニュブニュ」という言葉の響きが一番しっくりくると感じています。バスケットボールの表面に近いと言えば解りやすいでしょうか? そもそも、なぜ私がイルカの皮膚に強い興味を抱き独自に研究をしているかというと、 イルカの皮膚は2時間に1度生まれ変わっている という衝撃な事実を知ったからです。一説ではイルカは人類の次に知能が高いコミュニケーション能力を持っていると言われており、異なる生息海域ごとに方言まであるそうです。バンドウイルカは人間と同じように個体を名前で認識してコミュニケーションしていることなどがよく知られています。 知能が高いが故に人間と同様にストレス発散のために集団いじめを行ったり精神的に追い詰めるような残酷な一面があることもまた知られています¹。そのような精神的陰陽と時速50kmで泳ぐことができたり、最高8mジャンプ出来たり²、脳を半分ずつ眠らせて泳ぎながら寝ることができたり、皮膚が2時間に1度生まれ変わったりすることを考えると実は人類以上の能力を秘めているような気さえしてきます。さて、少し話が逸れましたが本題です。イルカの皮膚はなぜ2時間に1度生まれ変わるのでしょうか?解りますか?結論からいうと 水の抵抗を極限まで減らして早く泳ぐため です³。美容のためではないんですね〜。 水の密度は空気の800倍ほどあると言われています。水泳などで皆さんも経験があると思いますが水中では体に沿って乱流渦が発生して身体の背面に回り身体を引っ張るため前進を妨げる抵抗を感じます。イルカのバスケットボールの表面のような弾力性の皮膚はスポンジのように水分を吸収するヒドロゲルで覆われた表皮、真皮、脂皮の三層から構成されておりクッションのように乱流渦の抵抗を防ぐ(水圧を吸収する)のです。最近の研究では、 はがれ落ちる皮のしわの突起の部分がイルカの皮膚の表面にできる乱流渦を抑制して抵抗を抑えている とも考えられています⁴。 イ

日焼けサロン(日焼けマシン)は危険ですか?

「夏の輝き」「冬に向けた深み」を出すためにあなたが「顔」や「腕」など身体を黒くしたい衝動に駆られた時、日焼けサロンは一見良い選択肢のように思えるかもしれません。日除けマシンは、国際がん研究機関(IARC - 世界保険機関(WHO)の外部組織)が日焼けマシンをグループ2A(ヒトに対する発がん性がおそらくある化学物質、混合物、環境)ランクから、一番危険なグループ1(ヒトに対する発がん性が認められる化学物質、混合物、環境)へランクを引き上げるまでの2000年代後半までは比較的普及していました。日焼けマシンで身体を人工的に焼く行為に発がん性が認められて以降、我々の大半が日焼けサロンを避けるようになりましたが、あなたが出張や旅行で別の都市に移動すると日焼けサロン店に遭遇する可能性があります。日焼けサロンは非常に危険であるにも関わらず何故ビジネスモデルが成り立っているのでしょうか? 法律的に合法なんでしょうか? まず、我々は日焼けマシンと太陽の比較を理解することが重要です。太陽は、我々が住む地上に2種類のUV太陽紫外線を放出しています。UV-A(生活紫外線)は、我々の皮膚[表皮→真皮→脂肪層(皮下組織)]の真皮まで浸透して色素沈着(サンタン)、シミやシワなどの早期光老化を引き起こします。UV-B(レジャー紫外線)は我々の皮膚[表皮→真皮→脂肪層(皮下組織)]の表皮の細胞核に強いダメージを与えて日焼け(サンバーン)、色素沈着(サンタン)、浮腫などの炎症、皮剥けなどの原因となります。そして、 日焼けマシンは主にUV-Aを人工的に放射 します¹。 利用者の中には日焼けマシンで ビタミンD 合成が出来ると誤解している人達もいます。 ビタミンD合成を担う のはUV-Bに曝露する必要があります。 日焼けマシンは主に人工UV-Aを放射するので決してビタミンDの供給源ではありません ¹。 多くの日焼けサロン店は、日焼けマシンは日焼け予防を目的にしたベースタン(一度日焼けをすれば太陽紫外線の害から避けられるという間違った日焼け)を得るために効果的だと主張しています。ベースタンで多少の保護(SPF4程度と言われています)はありますが、QSunチームがこれまで何度も何度もお伝えしているように 「日焼けした肌は傷ついた皮膚」 です。UV照射に晒されると皮膚細胞は自己防御メカニズムの

太陽と人類の相反する歴史とQSunが切り開く共存という未来

人類が古代から太陽に対し崇拝と忌避を繰り返してきた歴史があることを皆さんも何となくご存知かもしれません。この相反する歴史は大きく7つに区分されます。ミステリー好きであれば古代ローマ・エジプト・マヤ・アステカ文明と聞くと太陽神信仰崇拝の生贄儀礼などがすぐに頭に思い浮かぶと思います。この 「1区分」 の時代は太陽はその恵みにより生命と食物を育み病気を治し災害を遠ざける創造神とも絶対神ともいえる特別な存在で生命維持装置の役割を担っていました。 第一次太陽崇拝時代 です。 そして時は流れ 「2区分」 の1700年〜1800年代、特に西欧で白い肌が富の象徴とされる現象が起きました。 第一次太陽忌避時代 です。この時代に初めて太陽忌避という強い概念が誕生して日光を避ける文化が定着。太陽防御のパラソルや帽子やスカーフなどが登場し日常生活に定着しました。それとともに太陽がもたらす負の部分が少しずつ解明されていきました。 「3区分」 はココ・シャネルが生んだブロンズルックの大流行に伴う 第二次太陽崇拝時代 です。若者を中心に日焼け=健康=グラマーの象徴といったような日焼け礼拝が巻き起こりました。しかし日焼けの害が広く知れ渡ることになると1920年代後半には日焼けの弊害が具体的に認識され日光防御としてサンスクリーン剤が初めてこの世に誕生しました¹。これが 「4区分」 の 第二次太陽忌避時代 です。 そして1930年代〜1940年代は 「5区分」 の 第三次太陽忌避時代 として太陽の悪影響と防御の研究開発が盛んに行われました。この僅か数年後の第二次世界大戦直後1946年以降〜には 「6区分」 として現在に通じる小麦色の肌=健康というシンボル化が形成され太陽崇拝が再燃しました。ビキニスタイルの大流行や現代の日本でも特に男性の意識化に潜在的に強く残っている日焼け・サンタン(黒化)=健康=カッコイイという概念が文化として定着。これが 第三次太陽崇拝時代 です。 1990年代に入りオゾン層破壊と太陽紫外線の具体的な悪影響(皮膚がんや白内障や免疫機能低下など)が全世界の知るところとなりました。今日まで続く 「7区分」 の 第四次太陽忌避時代 です。UVカット機能が搭載された日傘やサングラスや帽子などの予防アイテムが充実し、サンスクリーン剤は著しい進化を遂げました。しかし、この第四