夏休みの自由研究で「紫外線の謎」に取り組んでいる全国の子ども研究者たちへ!「教えて!goo ウォッチ紫外線の謎」に寄せられた質問に対する回答で大幅に割愛された詳細部分を3回に分けて記事にします。ぜひ、研究の参考にしてくださいね!
《第2回》実は植物のUV太陽紫外線に対する感受性は、種や品種といった遺伝的な要因や生育環境などによっても大きく変化するため、UV太陽紫外線の影響を定量的に評価することは現時点では困難であり詳しく解明されていないのが現状です。植物の生長には「葉緑素(クロロフィル)」による光合成が必要であることは皆さんもご存じでしょう。しかし、最近の研究では植物が光の波長の違いや光強度を感知して発芽や伸長を調整する「光形態形成」という仕組みを備えていることが判ってきました。
復習ですが地上に届くUV太陽紫外線は2種類でしたね。「UV-A(320〜400nm)」というエネルギーは弱いけどヒトの皮膚の3層の真ん中の層「真皮」まで到達して早期光老化(シミやシワなど)を引き起こす長波長紫外線と、「UV-B(280〜320nm)」というUV-Aよりエネルギーが強く皮膚の外側の「表皮」に強いダメージを与えて日焼け(サンバーン)や皮膚がんや白内障などを引き起こす恐れのある中波長紫外線の2種類があります。
ヒトにとっては悪影響の多いUV太陽紫外線ですが、植物の場合は必ずしも有害である訳ではないようです。「光形態形成」の一種である青色光受容体がUV-A曝露すると、花芽(はなめ)の形成の促進や色素合成することが確認されています。UV-B曝露すると、「光形態形成」の一種である赤/遠赤色光受容体による徒長(無駄な生長)抑制促進効果が認められているのです¹。
つまり、植物には「葉の伸展」や「徒長(無駄な生長)抑制」など自身の生長にUV太陽紫外線をヒト以上に上手に活用する能力が自然に備わっていると考えられます。また、ヒトはUV太陽紫外線を浴びるだけで「活性酸素」が大量に生じ眠気を伴うような強い紫外線疲労を引き起こし酸化してシワや白内障の原因になることが判明していますが、植物も同様に光合成の過程で常に、そしてUV太陽紫外線の環境ストレスで大量の活性酸素を発生させています。しかし、最新の研究では、2008年に独立行政法人 理化学研究所が発見したスーパーオキシドディスムターゼ(FSD2 & FSD3)酵素遺伝子が、植物に有害な活性酸素を除去して無毒化する強力な「抗酸化防御機能」として働き、UV太陽紫外線などへの強い耐性を示すことが解明されました²。これらの植物体独自の防御システムが植物がUV太陽紫外線に余り影響されない要因であると考えられます。皆さんは、UV太陽紫外線予測・予防で世界No.1無料アプリQSunをダウンロードして活用していますか? UV太陽紫外線研究の教材としても最適ですよ!
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Sources:
1. 「紫外光から遠赤色光まで,多様な植物光受容体」德富 哲, 岡島公司, 吉原静恵 大阪府立大学大学院理学系研究科(2015.6.9)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/55/4/55_181/_pdf
2. 独立行政法人 理化学研究所(2008.12.2)
http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/press/2008/20081202_1/20081202_1.pdf
2. 独立行政法人 理化学研究所(2008.12.2)
http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/press/2008/20081202_1/20081202_1.pdf
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