UV太陽紫外線がもたらす眠気を伴う深刻なグッタリ疲労。前回の投稿で「皮膚全体」のUV曝露と「目」へのUV曝露の両方に起因すること、そのメカニズムについてお伝えしました。あなたはこの深刻な紫外線疲労が引き金になりヘルペスを発症することをご存知ですか?
UV太陽紫外線疲労の正体はズバリ「活性酸素(スーパーオキシド・ヒドロキシルラジカル・過酸化水素・一重項酸素の4種類の総称)」です。太陽紫外線は波長が長ければ長いほど身体の奥まで浸透しやすくUV-Aが皮膚に侵入すると活性酸素が発生し、目から太陽紫外線が入ると角膜で活性酸素が発生して炎症反応が起こります。脳と身体で処理しきれない活性酸素が発生して脳内の神経細胞などが酸化されると、細胞内から老廃物の一種が排泄されます。その老廃物の増加がシグナルとなり、疲労因子FF(Fatigue Factor)と呼ばれるタンパク質が増加することが「疲労感」をもたらします¹。
東京慈恵会医科大学ウイルス学講座の近藤一博教授らの研究グループが疲労因子FF(Fatigue Factor)と関連してさらに人の疲労度を客観的に測定できる「ヒトヘルペスウイルス」の定量化に成功して以来、太陽紫外線とヒトヘルペスウイルスの関連と疲労との関わりが明確になりました。ヒトヘルペスウイルスは現在8種類発見されており、その内の6型(HHV-6)と7型(HHV-7)が疲労と大きく関連しています。8種類とは、[1]単純ヘルペスウイルス1型 [2]単純ヘルペスウイルス2型 [3]水痘、帯状疱疹ウイルス[4]エプスタイン・バール・ウイルス(EBウイルス) [5]サイトメガロウイルス[6]ヒトヘルペスウイルス6型[7]ヒトヘルペスウイルス7型[8]ヒトヘルペスウイルス8型です。ちなみに8型(HHV-8)はカポジ肉腫というエイズ患者の末期に発症するがんです²。
さて、我々が一般的にヘルペスという場合、それは単純ヘルペスウイルス(HSV)の[1]単純ヘルペス1型(HSV-1)・[2]単純ヘルペス2型(HSV-2)の2種類のことを指します。この内、太陽紫外線曝露が発症に大きく関与しているとされる口唇ヘルペスが1型の代表。性器ヘルペスが2型に分類されます。ヒトヘルペスウイルスは子供の頃に誰もが感染しています。宿主である人の身体が健康である時は何も作用せず潜伏感染状態になっており、宿主の体で疲労因子FF(Fatigue Factor)が長期間増加していることをHSV-1、HSV-2、HHV6、HHV-7などのヒトヘルペスウイルスが感知すると、「これ以上、この身体に留まっていると自分も危ない」と危機を察知して身体の外へ逃げ出そうと唾液や皮膚や粘膜などに出現します。これを「ヒトヘルペスウイルスの再活性化」と呼びます⁴。かつては「熱のはな」とも呼ばれており、季節の変わり目や風邪や太陽紫外線ストレスなどで体調が弱っている時に出現します。単純ヘルペスウイルスが潜伏している方は僅かな太陽紫外線曝露でも避けた方が良いでしょう。ヘルペスにお困りの方は是非、QSunで太陽紫外線ストレス軽減を試みてください!
Sources:
1. 梶本修身 著 - すべての疲労は脳が原因 - 集英社新書(2016.4.20)
2. American Cancer Society
https://www.cancer.org/cancer/cancer-causes/infectious-agents/infections-that-can-lead-to-cancer/viruses.html
3. American Skin Association & The Rockefeller University
http://www.americanskin.org/resource/herpes.php
4. 梶本修身 著 - すべての疲労は脳が原因2 - 集英社新書(2016.12.21)
5. 日本臨床皮膚科医会「口唇ヘルペス」http://www.jocd.org/disease/disease_26.html
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