「日焼け」は危険です。大多数の方がそれを知っています。しかし、日焼けに関連する危険性について一般市民の認識があるにも関わらず、なぜ日焼けサロンは顧客を惹きつけるのでしょうか? 又、私たちは何故未だにビーチで、積極的に日焼けを求めて寝ている人たちを見るのでしょうか?日焼けは間違ったダイエットもしくは不健康な食生活をやっているようなものです。隣人主催のバーベキューでケーキを食べたり、帰宅途中にドライブスルーに立ち寄ることが最善の食生活ではないことは解っています。しかし、なぜあなたはそのような行為をするのですか? 我々があなたがなぜ日焼けしてしまうのか答えましょう。
我々の前回の記事「日焼け後の科学」を読んでいたら、「日焼け」というのは皮膚細胞がUV太陽紫外線曝露から危険を感知した時にあなたの身体が自発的にとる保護措置であることが解ります。メラニンはアミノ酸の一種であるチロシンがチロシナーゼ(及び関連の酵素群)によって酸化重合して作られるのもので、メラノサイトにおいて重合したメラニンは不要化して顆粒となりメラノソームを形成し、これが周囲の表皮角化細胞に受け渡されて核の上に配置されDNAを守り、表皮全体にメラニンが分布します。屋外または屋内(日焼けサロンも含む)での日焼けは太陽紫外線曝露が原因です。「日焼け」を繰り返すことで皮膚がんや早期光老化のリスクが一気に高まります。そして、あなたがもし日焼けをしていないと考えていても、必ずしもあなたの肌がダメージを受けていないとは言い切れません。
アメリカ皮膚科学会(AAD)は、2016年に太陽下での安全に関する最新のオンライン調査を実施しました。18〜34歳の女性のデータを抽出。実に女性の71%が日焼けが不健康であることを知っており、66%が日焼け予防を目的にしたベースタン(一度日焼けをすれば太陽紫外線の害から避けられるという間違った日焼け)を得ることは健康ではないことを知っていました。そして、98%が皮膚がんが身体に致命的な結果を引き起こす可能性があることを知っていたのです¹。しかし、男性は危険をほとんど意識していませんでした - 調査対象の男性のわずか56%のみが日焼けが不健康な行為であることを認識しており、半分の54%が日焼け予防を目的にしたベースタンを得ることは健康ではないことを認識していました²。
しかし、ここで疑問が残ります。若い成人のある層は日焼けして褐色の肌になることが己の自信を高めてくれるので彼らは日焼けすると言います。別の層はニキビとシミを隠すのに日焼けは好ましい手段だと言います³。このような方々は本当に健康よりも自尊心を重視しているのでしょうか? はい – その可能性はありますが決して真実ではありません。
故ジークムント・フロイト(オーストリアの精神科医・分析学者 / 精神分析学の創始者)によれば、私たちは意識と無意識の両方の考えを持っています。私たちは、私たちの意識を認識していますが、私たちの行動に影響を及ぼしているにも関わらず、私たちの無意識の思考に気づいていません⁴。アメリカ心理学会(APA)は、「人が日焼けの危険性を意識的に認識している場合、日焼けする可能性は低い」と発表しています。しかし、日焼け関連のリスクについての「これらの考えが無意識下の思考になる時にリスクは高くなる」可能性があります⁵。これは、「日焼け」という行為そのものが自尊心をくすぶり高め、その自尊感情の高まりが死を取り巻く不安感を急激に減少させることを示しているからです⁶。おそらく、我々は「常に日焼けしようとする無意識の動機」を避けるために、常に日焼けの危険性を思い出すべきなのです。
あなたはあなたが所属する仲間グループ内できっと同じような思考や行動を取ることでしょう。それが人間の本性です。つまり、その仲間グループが日焼けを「是」とする慣習があれば、きっとあなたも日焼けという行為をリスクについて深く考えることなくいわゆるノリで選択する可能性が高いことを意味します。そして、あなたが例え日焼けの危険性を認識していてもグループ全体が日焼けの危険性について無学である場合、または日焼けすることは健康的である、カッコイイ等と肯定される雰囲気であれば、あなたは嫌が応にも日焼け圧力を受ける可能性があります。 私たちが、日焼けという行為、それに関連する皮膚がんや白内障などの病気に終止符を打つためには、社会的規範を変えるために積極的に「日焼け予防啓発」努力すべきです。特に男性にはメディア報道が日焼けしていない淡い肌の健康性・美しさを伝達するまでにはしばらく時間がかかるかもしれませんが、「赤ちゃんの歩み」がきっと鍵となります。
この記事を読んだ後、おそらくあなたは日焼けしたいという衝動は感じないでしょう。しかし、この情報が脳の無意識下に保存されれば、あなたは1週間後に日焼けしてしまうかもしれません。でも、うまくいけば、日焼けの危険性を思い出し、有害な太陽紫外線から身を守ることを実行に移すことが出来るでしょう。我々は全ての人に「自然の肌の色を奨励しながら、太陽紫外線が誘発する日焼けリスクについて己自身並びに他者に正しい教育を執拗に継続」しなければなりません。結局のところカナダのトロントが誇る名皮膚科医リサ・ケレット博士(Dr. Lisa Kellett)が、The Globe and Mailの取材で語ったように「人生におけるあなたのゴールは、幸せで、健康的で、淡いものでなければなりません」。
Sources:
1. American Academy of Dermatology. (2016). New American Academy of Dermatology PSA highlights dangers of tanning. Retrieved July 6, 2016, from https://www.aad.org/media/news-releases/psa-highlights-dangers-of-tanning
2. American Academy of Dermatology. (2016). Survey: Men’s skin cancer knowledge lags behind women’s. Retrieved July 6, 2016, from https://www.aad.org/media/news-releases/looking-good-in-2016.
3. Susik, K. (2014). Young People Continue To Tan, Despite Clear Health Dangers. Retrieved July 6, 2016, from http://iowawatch.org/2014/05/22/in-their-own-words-young-people-continue-to-tan-despite-the-health-dangers/.
4. Cherry, K. (2015). The Structure of the Mind According to Freud. Retrieved July 6, 2016, from https://www.verywell.com/the-conscious-and-unconscious-mind-2795946.
5. Clay, R. A. (2015). The link between skin and psychology. American Psychological Association Monitor on Psychology, 46(2):56. Retrieved July 6, 2016, from http://www.apa.org/monitor/2015/02/cover-skin.aspx.
Routledge, C. (2009). Tanning is a (Psychological) Cure for Death. Retrieved July 6, 2016, from
https://www.psychologytoday.com/blog/more-mortal/200908/tanning-is-psychological-cure-death
1. Racco, M. (2016). Mean screens: Why do sunscreens have a bad rep? Retrieved July 6, 2016, from http://www.theglobeandmail.com/life/mean-screens-why-do-sunscreens-have-a-b
※ From an article by Comfable which conducts ultraviolet research jointly with our company
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