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ミサイルや核が引き起こす成層圏オゾン破壊とUVI15〜20の世界


北朝鮮による相次ぐ軍事挑発。今、朝鮮半島はただならぬ緊張感の真っ只中にあります。私は紫外線・オゾン研究者として、開戦という愚かな行為を強く強く否定します。何故なら気候がぶっ壊れ二度と修復できない地球規模の大惨事が起こることが明確にシミュレーションされているからです。皆さんの中には、ミサイルや核などの軍事兵器とオゾン・UV太陽紫外線との関係が余りピンッとこない方もいらっしゃるかもしれません。ミサイルや核兵器が炸裂したら当然、数十万人を超える犠牲と共に想像を絶する大惨事が目の前に広がり全てのライフラインは止まり金融も法人もあらゆるサービスが停止し、これまでの安穏とした生活と真逆の大パニックサバイバルが世界中で発生することは火を見るよりも明らかです。


恐ろしいです。そして、それに加えて二次災害とでも言うべき地球の破滅の道にオゾン・UV太陽紫外線は大きく関わってきます。2011年2月にアメリカ: ワシントンで開催されたアメリカ科学者連盟(FAS)の会議で、「限定的な地域で15ktの核兵器を100個使用(1500キロトン※北朝鮮の2017年9月3日核実験は160キロトン規模)するような戦争が勃発すれば約2年後に成層圏オゾンが1/4以上破壊され、1000年前の寒冷期に戻り(核の冬)、人口の多い都市で前例のない低層オゾンとなり、常識を逸脱した有害UV太陽紫外線が地上に到達して、紛争地域から数千kmに及ぶ地域に劇的な環境変化をもたらし世界的な核飢餓が何年も続くだろう」という研究結果が発表されました¹。具体的には1500ktの兵器の爆発により何百万トンもの黒煙と灰が大気中に放出され成層圏オゾンが猛烈なスピードで消滅していきます。


オゾン損失の主な原因は黒煙や灰による成層圏の加熱です。気温は最初は摂氏100度以上に上昇し3年以上に渡り通常より30度以上高い状態が続きます。UV太陽紫外線の強さはUVインデックスという指標で0〜11段階にランク付けされていることはQSun利用者の皆さんは普段のご利用で馴染み深いでしょう。兵器の爆発により二次災害として成層圏オゾンの損失が一気に進み、UVインデックス15〜20という前例の無いUV太陽紫外線曝露を体験することになるだろう、とアメリカ大気研究センター(NCAR)は警告しています。UVインデックス15のUV太陽紫外線曝露は昨今当たり前のように赤道直下に位置する国で見られます。今年、日本でも7月・8月の沖縄県でUVインデックス13という高数値日を6日間観測しました(内1日間は極めて14に近い)。あの沖縄の皮膚を焦がすような太陽光でも地上到達UVインデックスは13です。15〜20というUV太陽紫外線レベルがどれだけ異常に強く恐ろしいものであるかイメージでお解り頂けると思います。

この恐ろしく強い有害UV太陽紫外線は、ヒトのDNAを著しく損傷し皮膚がんを多発させるだけでなく、全体の生態系に大きな影響を与えます。例えば「植物の高さ・芽の量・葉面積・不安定遺伝による昆虫及び病原体に対する抗体」の減少「植物プランクトン枯渇による海藻・海洋生物」減少や絶滅「UV太陽紫外線に敏感である両生類」減少や絶滅などが起こり、その影響による生態学的な被害に加えて世界的な核飢餓が発生します。経験したことの無い寒冷化の中、恐ろしく有害なUV太陽紫外線曝露によりまず作物を栽培することができません。そして海の海藻やタンパク質が失われて広範な食糧不足と飢饉に突入するのです²。16%のオゾン層破壊は、植物プランクトンの5%の損失をもたらし、漁業や水産養殖における7%の損失をもたらす可能性があると試算されています。 

さて、最後にロケット発射(固体燃料)が成層圏オゾンを破壊している事実についても記します。コロラド大学ボルダー校の大気・海洋科学部門のDarin Toohey教授は「ロケットの打ち上げ市場が拡大するにつれ、オゾンを破壊するロケットの排出も増加するだろう」と述べています。「宇宙産業が拡大する中で規制されずに放置されれば、2050年までの世界のロケット打ち上げは、これまでにフロンによって破壊されたオゾン以上のオゾン破壊を招く可能性がある」と強く指摘しています³。それでも我々の未来に必要不可欠な有益な宇宙ロケットは大歓迎ですが、軍事兵器であるミサイルの度重なる発射は決して許されざる行為です。ただでさえ人類が積み重ねてきた様々な環境負荷により今「地球」は大きな悲鳴をあげています。ヒトを殺傷する愚かなミサイル実験でこれ以上、我々を育み育ててくれる大切な母なる大地を独断で痛めつけないで欲しい!と皆さん同様に私も切に願っています。

※上記記事にコロラド大学ボルダー校 工学部(航空宇宙工学)から得た新しい知見と具体的な数値を加え加筆した内容を内閣官房内閣広報室に「オゾン・UV太陽紫外線領域から見た戦争に突入する愚かさ」というタイトルで首相官邸に意見させて頂きました。

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Sources:

1. NTI - Limited Nuclear War Could Deplete Ozone Layer, Increasing Radiation
http://www.nti.org/gsn/article/limited-nuclear-war-could-deplete-ozone-layer-increasing-radiation/
2. WIRED - HOW ONE NUCLEAR SKIRMISH COULD WRECK THE PLANET 
https://www.wired.com/2011/02/nuclear-war-climate-change/
3. University of Colorado Boulder - Rocket Launches May Need Regulation to Prevent Ozone Depletion, Says New Study(2009)
http://www.colorado.edu/today/2009/03/31/rocket-launches-may-need-regulation-prevent-ozone-depletion-says-new-study

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