スキップしてメイン コンテンツに移動

スキンフォトタイプとは?


一般的にUV太陽紫外線曝露後の皮膚の反応から人類のお肌は国際基準で6つのタイプに分類(図-1)¹されます。我々のラボラトリーは解りやすく「肌タイプ」という表現を用いていますが、正確には「スキンフォトタイプ」と言います。Ⅰ:すぐに赤くなり黒くならない<日本人の約18%が属す> / Ⅱ:すぐに赤くなり多少黒くなる<日本人の約28%が属す> / Ⅲ:赤くなった後に必ず黒くなる<日本人の約30%が属す> / Ⅳ:あまり赤くならずすぐに黒くなる<日本人の約16%が属す> / Ⅴ:滅多に赤くならず非常に黒くなる(濃い皮膚色)<日本人の約7%が属す> / Ⅵ:決して赤くならず非常に黒くなる(黒人タイプ)<日本人の約1%が属す>という6タイプ分類です。※<日本人属性割合³>

日本では日本独自のJapanese Skin Type(JST)が1986年に提案されました。JST-Ⅰ:赤くなりやすく黒くなりにくい(敏感群)JST-Ⅱ:赤くもなり黒くもなる(平均群)JST-Ⅲあまり赤くならず黒くなりやすい(強肌群)という3タイプ分類です。それぞれ国際基準のスキンフォトタイプのⅡ・Ⅲ・Ⅳに対応します。Japanese Skin Type(JST)は3種の非常に少ない範囲設定のため、日本人も直面している個々の様々なお肌事情を的確に考慮しているとは決して言い難く残念ながら大雑把な分類であることを否めません。

日本人で一番多いスキンフォトタイプは Ⅲと言われています。実に約30%がこのⅢのタイプであり真夏の日中に約20〜25分太陽紫外線を浴びるとサンバーンを発症します。赤み(紅班)を生じる最小のUV太陽紫外線量を「最少紅斑量(MED: minimal erythema dose)と言います。UV太陽紫外線の悪影響を最も受けやすいのは当然Ⅰのタイプであり、UV-BによるDNA損傷はⅢの3〜5倍と考えられています²。

図-1(スキンフォトタイプ分類)

QSunは国際基準スキンフォトタイプ分類に加えて、「目の色」「髪の色」「そばかすの有無」などUV太陽紫外線に影響を及ぼすあらゆる角度の項目を追加した現段階で世界でも一番最新の詳しい「お肌タイプ」分類を提供しています。QSunはパーソナライズされたあなたのお肌の日焼け(サンバーン)発生時間をお知らせするのでDNA損傷を事前に予防することができます。我々の研究では現在の皮膚疾患や皮膚アレルギーの蔓延で産まれながら弱い肌質のお子さまが増加していることを鑑みて、東海大学の佐々木政子名誉教授が発表された各スキンフォトタイプ毎の日本人の属性割合³よりも、ⅠとⅡ、特にⅡの全年齢帯での大幅な増加を認めざるを得ません。我々は日本人の最新のスキンフォトタイプ属性割合を現在調査中です。ぜひあなたもご協力ください!そしてこの機会にQSunで正確な自分のスキンフォトタイプを知ることを強くお勧めします。

Sources:

1. Fitzpatrick skin typing: Applications in dermatology
http://www.skincancer.org/prevention/are-you-at-risk/fitzpatrick-skin-quiz
2. 佐々木政子 編著 - 太陽紫外線と上手につきあう方法 - 丸善出版(2015.6.30)

コメント

このブログの人気の投稿

イルカの皮膚の神秘

皆さんはイルカの皮膚を触ったことがありますか?私はあります。幼少の頃にもありますし、実はつい最近も好奇心と探究心を持って触らせて頂きました。その感触はもちろん人の皮膚とは大違い。魚類のウロコとも違います。見た目がテカテカしてるからツルンツルンしてるのかと言えばそうでも無くザラザラしたような感触も多少あり、これが最適な表現なのかはよく解りませんが、私は「ブニュブニュ」という言葉の響きが一番しっくりくると感じています。バスケットボールの表面に近いと言えば解りやすいでしょうか? そもそも、なぜ私がイルカの皮膚に強い興味を抱き独自に研究をしているかというと、 イルカの皮膚は2時間に1度生まれ変わっている という衝撃な事実を知ったからです。一説ではイルカは人類の次に知能が高いコミュニケーション能力を持っていると言われており、異なる生息海域ごとに方言まであるそうです。バンドウイルカは人間と同じように個体を名前で認識してコミュニケーションしていることなどがよく知られています。 知能が高いが故に人間と同様にストレス発散のために集団いじめを行ったり精神的に追い詰めるような残酷な一面があることもまた知られています¹。そのような精神的陰陽と時速50kmで泳ぐことができたり、最高8mジャンプ出来たり²、脳を半分ずつ眠らせて泳ぎながら寝ることができたり、皮膚が2時間に1度生まれ変わったりすることを考えると実は人類以上の能力を秘めているような気さえしてきます。さて、少し話が逸れましたが本題です。イルカの皮膚はなぜ2時間に1度生まれ変わるのでしょうか?解りますか?結論からいうと 水の抵抗を極限まで減らして早く泳ぐため です³。美容のためではないんですね〜。 水の密度は空気の800倍ほどあると言われています。水泳などで皆さんも経験があると思いますが水中では体に沿って乱流渦が発生して身体の背面に回り身体を引っ張るため前進を妨げる抵抗を感じます。イルカのバスケットボールの表面のような弾力性の皮膚はスポンジのように水分を吸収するヒドロゲルで覆われた表皮、真皮、脂皮の三層から構成されておりクッションのように乱流渦の抵抗を防ぐ(水圧を吸収する)のです。最近の研究では、 はがれ落ちる皮のしわの突起の部分がイルカの皮膚の表面にできる乱流渦を抑制して抵抗を抑えている とも考えられています⁴。 イ...

肌の老化の90%はUV太陽紫外線曝露の影響

我々は、好むと好まざるとに関わらず歳を取るにつれ老化の兆候が現れます。自身で制御できない老化は、内因性または加齢による 「自然老化」 と呼ばれます。この自然老化はコントロールすることはできませんが、我々は高温や低温への慢性的な曝露、喫煙、アルコール摂取など、老化徴候を悪化させる環境要因を抑制することができます。我々の肌を老化させる主要な環境要因は、有害なUV太陽紫外線の曝露です。実際、 肌の老化の90%はUV太陽紫外線曝露の影響 によるものと推測されています¹!太陽光は肌のタンパク質を悪化させ、若々しい外観を損ないます。この光老化は、適切な太陽防御で防ぐことが可能です。 エラスチンとコラーゲンは、若々しいお肌を保つ大切な2つのタンパク質 です。エラスチン(弾性線維)は、その名前が示すようにゴムのように伸び縮みする性質を持ちコラーゲンの線維を支える役割を果たします。言い換えれば、それは私たちの肌の伸縮部分に弾力を与えます²。一方でコラーゲンは肌の弾力やしなやかさを生み出すタンパク質です。細胞と細胞を結ぶ役割があり、肌だけでなく骨や血管、関節などにも含まれています³。体内にあるコラーゲンのうち約40%が皮膚に存在しています。又、肌を若々しく保つために我々は 「幹細胞」 の働きにも助けられています⁴。この特殊な幹細胞は皮膚・赤血球・血小板など我々の身体を創造する様々な細胞を作り出す能力(分化能)と、自分と同一の能力を持った細胞に分裂する能力(自己複製能)を持ち、死んだ細胞を次々に置き換えています。幹細胞がきちんと機能しないと皮膚は時間と共に劣化します。 UV太陽紫外線は、早期光老化の主要原因です。紫外線は幹細胞を死滅させ、皮膚の菲薄化(薄くなる)及びシワを発生させます。 UV太陽紫外線はマトリックスメタロプロテアーゼ(略称: MMP)とカテプシンK(略称: CTSK)呼ばれる酵素を活性化させます。MMP酵素はコラーゲンを分解し、CTSKはエラスチンを分解します ⁴。 太陽曝露による早期光老化を避ける秘訣は 「適切な日焼け予防」 です。常に SPF30以上の広域スペクトルのサンスクリーン剤 を塗布してください。そして、 サングラス 、 日傘 、 つばの広い帽子 を着用し可能な限り 日陰を活用 してください。 QSun は、 iOS と Android で利...

太陽と人類の相反する歴史とQSunが切り開く共存という未来

人類が古代から太陽に対し崇拝と忌避を繰り返してきた歴史があることを皆さんも何となくご存知かもしれません。この相反する歴史は大きく7つに区分されます。ミステリー好きであれば古代ローマ・エジプト・マヤ・アステカ文明と聞くと太陽神信仰崇拝の生贄儀礼などがすぐに頭に思い浮かぶと思います。この 「1区分」 の時代は太陽はその恵みにより生命と食物を育み病気を治し災害を遠ざける創造神とも絶対神ともいえる特別な存在で生命維持装置の役割を担っていました。 第一次太陽崇拝時代 です。 そして時は流れ 「2区分」 の1700年〜1800年代、特に西欧で白い肌が富の象徴とされる現象が起きました。 第一次太陽忌避時代 です。この時代に初めて太陽忌避という強い概念が誕生して日光を避ける文化が定着。太陽防御のパラソルや帽子やスカーフなどが登場し日常生活に定着しました。それとともに太陽がもたらす負の部分が少しずつ解明されていきました。 「3区分」 はココ・シャネルが生んだブロンズルックの大流行に伴う 第二次太陽崇拝時代 です。若者を中心に日焼け=健康=グラマーの象徴といったような日焼け礼拝が巻き起こりました。しかし日焼けの害が広く知れ渡ることになると1920年代後半には日焼けの弊害が具体的に認識され日光防御としてサンスクリーン剤が初めてこの世に誕生しました¹。これが 「4区分」 の 第二次太陽忌避時代 です。 そして1930年代〜1940年代は 「5区分」 の 第三次太陽忌避時代 として太陽の悪影響と防御の研究開発が盛んに行われました。この僅か数年後の第二次世界大戦直後1946年以降〜には 「6区分」 として現在に通じる小麦色の肌=健康というシンボル化が形成され太陽崇拝が再燃しました。ビキニスタイルの大流行や現代の日本でも特に男性の意識化に潜在的に強く残っている日焼け・サンタン(黒化)=健康=カッコイイという概念が文化として定着。これが 第三次太陽崇拝時代 です。 1990年代に入りオゾン層破壊と太陽紫外線の具体的な悪影響(皮膚がんや白内障や免疫機能低下など)が全世界の知るところとなりました。今日まで続く 「7区分」 の 第四次太陽忌避時代 です。UVカット機能が搭載された日傘やサングラスや帽子などの予防アイテムが充実し、サンスクリーン剤は著しい進化を遂げました。しかし、この第四...