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肌の老化の90%はUV太陽紫外線曝露の影響


我々は、好むと好まざるとに関わらず歳を取るにつれ老化の兆候が現れます。自身で制御できない老化は、内因性または加齢による「自然老化」と呼ばれます。この自然老化はコントロールすることはできませんが、我々は高温や低温への慢性的な曝露、喫煙、アルコール摂取など、老化徴候を悪化させる環境要因を抑制することができます。我々の肌を老化させる主要な環境要因は、有害なUV太陽紫外線の曝露です。実際、肌の老化の90%はUV太陽紫外線曝露の影響によるものと推測されています¹!太陽光は肌のタンパク質を悪化させ、若々しい外観を損ないます。この光老化は、適切な太陽防御で防ぐことが可能です。

エラスチンとコラーゲンは、若々しいお肌を保つ大切な2つのタンパク質です。エラスチン(弾性線維)は、その名前が示すようにゴムのように伸び縮みする性質を持ちコラーゲンの線維を支える役割を果たします。言い換えれば、それは私たちの肌の伸縮部分に弾力を与えます²。一方でコラーゲンは肌の弾力やしなやかさを生み出すタンパク質です。細胞と細胞を結ぶ役割があり、肌だけでなく骨や血管、関節などにも含まれています³。体内にあるコラーゲンのうち約40%が皮膚に存在しています。又、肌を若々しく保つために我々は「幹細胞」の働きにも助けられています⁴。この特殊な幹細胞は皮膚・赤血球・血小板など我々の身体を創造する様々な細胞を作り出す能力(分化能)と、自分と同一の能力を持った細胞に分裂する能力(自己複製能)を持ち、死んだ細胞を次々に置き換えています。幹細胞がきちんと機能しないと皮膚は時間と共に劣化します。

UV太陽紫外線は、早期光老化の主要原因です。紫外線は幹細胞を死滅させ、皮膚の菲薄化(薄くなる)及びシワを発生させます。UV太陽紫外線はマトリックスメタロプロテアーゼ(略称: MMP)とカテプシンK(略称: CTSK)呼ばれる酵素を活性化させます。MMP酵素はコラーゲンを分解し、CTSKはエラスチンを分解します⁴。

太陽曝露による早期光老化を避ける秘訣は「適切な日焼け予防」です。常にSPF30以上の広域スペクトルのサンスクリーン剤を塗布してください。そして、サングラス日傘つばの広い帽子を着用し可能な限り日陰を活用してください。QSunは、iOSAndroidで利用できる無料アプリです。今その場所で必要な「サンスクリーン剤塗布量自動計算」「再塗布時間アラート」、あなたの肌が「日焼けダメージを受ける前に屋外で過ごせる時間(ビタミンD生成時間)」をお知らせします。

Sources:

1. Canadian Dermatology Association. (n.d.). Photoaging. Retrieved July 28, 2017 from http://dermatology.ca/public-patients/skin/photoaging/.
2. Sigma-Aldrich. (n.d.). Elastin. Retrieved July 28, 2017 from http://www.sigmaaldrich.com/life-science/biochemicals/biochemical-products.html?TablePage=21735546.
3. Sigma-Aldrich. (n.d.). Collagen. Retrieved July 28, 2017 from http://www.sigmaaldrich.com/life-science/metabolomics/enzyme-explorer/learning-center/structural-proteins/collagen.html.
4. Gilchrest, B. A. (2013). Photoaging, J Invest Dermatol 133: E2–E6. Retrieved July 28, 2017 from http://www.jidonline.org/article/S0022-202X(15)41893-7/pdf.


※ From an article by Comfable which conducts ultraviolet research jointly with our company

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