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深刻な皮膚がん危機:欧米豪の美容基準を変えよう!


日本や韓国を筆頭に中国・タイ・マレーシア・ベトナムなどアジア圏では特に女性を中心に「白い肌」が好まれます。逆にアメリカ、ヨーロッパ、ブラジルでは「日焼け肌」が男女ともに好まれる傾向にあります¹。これは化粧品業界で顕著です。例えば、日本や韓国のメーキャップ製品のほとんどがSPFを提供していますが、アメリカではブロンズパウダーの人気が高いです。オーストラリア人もまた「日焼け肌」を美しいと感じている人種です²。オーストラリア人の成人の約半数は「日焼けした褐色の肌が健康に見える」という印象を受けています³。

しかし、「日焼け肌」が欧米で歴史上ずっと好まれてきたかというと実はそうではありません。1700年代は特に西欧で白い肌が富の象徴(屋外で作業する必要が無い)とされる現象が起きました¹。貴族ではない市民たちもこぞって白い肌を得るために女性はヴェネチアの鉛白を塗っていたのです⁴。- 時は流れ1920年代にはココ・シャネルが生んだブロンズルックの大流行で屋外でリラックスして「日焼け肌」を得ることはグラマラスかつ健康で贅沢という象徴に変化しました¹。このように人類は古代から太陽に対する崇拝と忌避の歴史を繰り返してきました。世界中の多くの人々は未だにUV太陽紫外線曝露であなたの皮膚細胞が危険を感知した時に発症する皮膚の防衛反応が「日焼け」であることを認識していません。日焼けの積み重ねが将来の皮膚がん発症リスクを高めることは世界中で証明されています。何故なら、「日焼け肌」が愛される文化を持つ国で皮膚がんの被害が間違いなく深刻だからです。

【補足】日盾\HITATE UV Care Lab. Research Team
「ヴェネチアの鉛白」とは⁵?
別名: 「悪魔のスピリット」。絵の具の「フレークホワイト」のことです。暖かな白の色素であり、アート界では完全に不透明で永続的な性質を持つと言われています。すぐに乾き見た目の新鮮さが保たれるのが特徴で着色力が低いことからよく混ざります。現代では鉛の毒性があり身体に有害であることが知られていますが、その歴史は古く紀元前400年のアテネで化粧品として用いられていたと考えられています。古代エジプト人・古代中国の絵画にも用いられた形跡があり、炭酸鉛と酸化亜鉛から成る組成で最も古い色素のひとつ考えられています。当然、当時、その影響で鉛中毒を引き起こし瘢痕や神経系麻痺、発達障害、肝臓疾患、脱毛などの恐ろしい症状を引き起こし時には死に至ることもありました。


欧米やオーストラリアの美容基準は、皮膚がんの発症率の減少を見る前に早急に変わるべきです。そのためにも化粧品メーカーやファッションブランドの広告などで「日焼けした肌」がカッコイイという印象を抱かせるようなモデルの起用方法をやめるべきです。我々は現在、「暴走する気候」と隣り合わせで生きています。UV太陽紫外線の地上への到達量が異常値を計測する時間帯・日数の増加を我々は実際に目の当たりで観測しています。納得がいかない人もいるでしょう。将来のことなど今はまだ実感が湧かないという人もいるでしょう。我々も「日焼け肌=不健康でカッコ悪い」文化を根付かせることは並大抵のことでは無いと理解しています。「美」は決して強制されるものでは無いのかもしれません。しかし、皮膚がんリスクを背負ってまで日焼け美を追求する価値はありません。QSunコンパクトデバイスを活用してリアルタイムUV太陽紫外線の計測を一度でも体験すると、あなたは我々が懸念する真実が解るはずです。

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Sources:

1. Sarnoff, D. S. (2011). The Tale of Tanning. Retrieved July 28, 2016, from http://www.skincancer.org/prevention/tanning/tale-of-tanning.
2. The University of Queensland Australia UQ News. (2000). Bronzed Aussie stereotype alive and well in adolescents. Retrieved July 28, 2016, from https://www.uq.edu.au/news/article/2000/12/bronzed-aussie-stereotype-alive-and-well-adolescents.
3. Cancer Council Australia. (2016). Skin cancer. Retrieved July 28, 2016, from http://www.cancer.org.au/about-cancer/types-of-cancer/skin-cancer.html.
4. Inglis-Arkell, E. (2015). One Of The Hazards Of The 1700s Was Death By Rouge. Retrieved August 29, 2016, from http://io9.gizmodo.com/one-of-the-hazards-of-the-1700s-was-death-by-rouge-1688562508.
5. 使いすぎ厳禁「死に至る化粧品“フレークホワイト”の黒い歴史」 Karin Yuen
http://logmi.jp/198183


※ From an article by Comfable which conducts ultraviolet research jointly with our company

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